ペットの健康コラム
生レバーは要注意!犬にレバーを与えるメリット・デメリット
- ペットのアレコレ
- 2018/11/15
レバーと聞くとやはり、第一に思いつくのが貧血予防ではないでしょうか?
その他にも、美肌効果があったりと魅力的なレバーですが、愛犬にも与えても効果があるのかな?
与えてみたいけど何に気を付ければいいのかな?と迷っている飼い主さんへ。
レバーの安全な与え方を紹介したいと思います。
犬はレバーを食べても大丈夫!カロリー・栄養の取りすぎには要注意
ワンちゃんにレバーを与えても、もちろん問題ありません。
むしろ大好きなワンちゃんのほうが多いのではないでしょうか。
しかし、与える際に注意しなければならない点がありますので、そちらを順に解説していきましょう。
レバーを与える際の注意点
①ビタミンAの過剰摂取 ②レバーの脂肪分 ③生のレバーによる人畜共通感染症
ビタミンAの過剰摂取
1つ目は「ビタミンAの過剰摂取」です。
まず、レバーに含まれている栄養素を見ていきましょう。
主な成分は、以下の通りです。
・ビタミンA ・ビタミンB群 ・葉酸 ・鉄分
この中のビタミンAは、ここでは動物性にのみ含まれる、レチノールと呼ばれる脂溶性ビタミンのことです。
目や粘膜の健康を保ち、目のビタミンとも呼ばれている栄養素です。
重要な役割を担うレチノールなのですが、体内に蓄積されるので摂取しすぎてしまうとワンちゃんの体に悪影響を及ぼします。
●ビタミンA過剰症による症状
・腎臓、肝臓機能の低下
・食欲不振
・体重減少
レバーの脂肪分
次にレバーの脂肪分です。
レバーはコレステロールが高めの食材です。
●レバーの脂肪分の影響
食べ過ぎてしまったり、おなかの弱いワンちゃんは下痢をしてしまう可能性があります。
そして、カロリーが高めなので、与え続けることで、肥満の原因にもなります。
食餌療法で脂質などに制限があるワンちゃんは注意が必要です。
生のレバーによる人畜共通感染症
そして生レバーによる人畜共通感染症です。
新鮮なレバーなら与えてもよいという人や、愛犬が下痢をしないからと生で与えている方もいるようですが、おすすめはできません。
●人畜共通感染症の症状
以前、ユッケなどの生肉食中毒があったのを覚えていますでしょうか?
ワンちゃんも例外ではなく、感染します。免疫が落ちている場合や、仔犬、老犬は症状が出ることもありますが、ワンちゃんは不顕性感染の場合が多く、知らずのうちに保菌している菌を、人に移してしまう心配があります。
鶏レバーには、サルモネラ菌の汚染があり、冷凍していても数年生存しています。
またカンピロバクター汚染はきわめて高く、感染力が強い菌です。生のまま食べた場合、仔犬だと下痢や発熱、死に至ることもあります。
牛レバーには、カンピロバクターやO-157汚染があり、乾燥にも抵抗性が高く、少量で感染・発症する恐ろしい菌です。
豚レバーはサルモネラ、カンピロバクターの他に、E型肝炎ウィルスに感染するリスクもあります。
犬回虫などの寄生虫の感染リスク
そして、鶏・牛・豚のレバーすべてから、犬回虫などの寄生虫に感染するリスクがあります。
冷凍された小指の先ほどの大きさの鶏のレバーから、300匹以上に犬回虫の幼虫が検出されたという報告もあり、生のレバーを愛犬に与えることがどれだけリスクがあることなのか、想像がつくでしょう。
犬回虫による症状
・食欲不振 ・下痢、嘔吐 ・腹部のふくらみ ・仔犬の発育不良
それぞれの症状への対処方法
ビタミンA過剰症についてなのですが、ワンちゃんは人より過剰とされる数値が、非常に高いので、頻繁になる心配はなさそうですが、症状が出た場合は早めに、病院へ連絡をして、獣医師の診断を受けましょう。
そして、レバーの脂肪分による下痢は、摂取を控えて様子を見ましょう。
水分補給は忘れずに、させてあげてください。
症状がひどければ、病院へ連絡しましょう。肥満になってしまった場合、食餌の改善が主要な方法となりますので、獣医師の指導の下、特別療法食を与えます。
そうならない為には、愛犬の適切な量を、把握することが大切です。
生のレバーによる人畜共通感染症は、成犬は無症状の場合が多いですが、免疫力の低下や妊娠などで症状がでることがありますので、もし症状がみられた場合は、嘔吐物や排泄物に触れないように、気を付けて処理をし、すぐ病院へ連絡しましょう。
回虫は、仔犬は重症化しやすいので、必ず病院で駆虫薬での治療してもらいましょう。
犬が食べてもよいレバーの量とレシピの注意点
ワンちゃんにとって最適なレバーの量やレシピを紹介していきたいと思います。
犬が食べてもよいレバーの量と与え方
一日に必要な摂取量は、鶏レバーですと体重1㎏に対し2gほど。
体重10㎏のワンちゃんだと20gとなります。
毎日少量をあげるやり方と週1、2回にまとめるやり方とあります。
愛犬の体質によっては、まとめると便が緩くなってしまうなどあると思いますので、1日おきに与えるなど愛犬ににあわせて、ペースを調整していくといいでしょう。
肝臓、腎臓の持病を持ったワンちゃんなどは、必ず獣医師に相談をしてください。
レバーは冷凍すれば大丈夫?
新鮮なレバーを買ったけど、余ってしまった場合。冷凍保存の方法をお教えします。
1.まずは血抜きをする。
一口大にカットしたレバーを、丁寧に水洗いします。
そこにひとつまみの塩をとたっぷりの水を入れ、20分ほど漬け込みます。
この間に水の取り換えると、より臭みがとれます。
2.水けをよく取りラップで保存
ペーパーで包んで、ラップで隙間が空かないようぴっちり巻いて保存します。
冷凍して2週間を目安に、使い切るようにしましょう。
血抜きの後に、火を通してからの保存も可能です。
水分も抜けて、調理時間も短縮できますので、ごはんを催促する愛犬を待たせずにすみます。
牛乳や氷水で臭みを取ることもできますが、アレルギーなど牛乳が苦手なワンちゃんには、塩を使った方法がおすすめです。
氷水の場合漬け込みすぎると、ビタミンなどの栄養素が抜け出でてしまうので、注意しましょう。
レバーを使った簡単犬用おやつレシピ
ドッグハンドラーの方も使っている1番簡単なレシピを紹介します。
今回は手軽に手に入る、鶏レバーを使っていきます。
材料
・鶏レバー 適量(まとめて作る方は多めでもOK)
1. レバーを一口大に切り、血抜きします。
2. お鍋に水を入れ、沸騰したらレバーを入れて茹でます。
中まで火が通るようにします。
3. トースターで2分ほど焼き、水分を飛ばしカリッとさせます。
作る量によって、焼き時間は調節してください。
食欲の落ちたシニアのワンちゃんのトッピングや、ドックショーの練習などで使用したことがありますが、匂いだけでワンちゃん達の活気が満ち溢れます。
1日の摂取量の範囲で、サイズも細かく調節できますので、しつけのご褒美に最適です。
まとめ
レバーは、愛犬の体質に合った量で正しい与え方をすれば、栄養満点で愛犬にとっても嬉しいご褒美となります。
大切な愛犬と共に健康に暮らしていくには、生レバーの危険性であげた、人畜共通感染症は、切っても切り離せない課題でもあります。
一緒に暮らしていると、忘れてしまいがちな犬と人とを区別する線引きを、どこかに持っていることが大切ではないでしょうか。