ペットの健康コラム
アーモンドを犬が誤食したけど大丈夫?食べた際の症状・対処法と致死量
- ペットのアレコレ
- 2019/02/25
美容効果も高く、おつまみの定番のアーモンド。
少しずつつまむ食べ物ですので、ついついテーブルに置いたままにしてしまうことありますよね。
そんな様子を愛犬はしっかりと見ていて、ちょっと食べてみたいな~と興味津々なのではないでしょうか?
今回はアーモンドの注意点について解説いたします。
〜目次〜
ワンちゃんがアーモンドを食べた際の症状・致死量と対処法
愛犬がアーモンドを食べてしまった時、のどに詰まらせてしまったり、よほど大量に食べてしまっていないのであれば、慌てる必要はありません。
しかし、注意しなくてはいけない食べ物ですので、体調不良の症状・対処法を順に解説していきます。
アーモンドを食べた犬は吐く?症状と注意点
消化不良
アーモンドには、食物繊維が多く含まれています。
その食物繊維は水溶性と不溶性の2つに分けられるのですが、アーモンドの食物繊維は20%が水溶性で、残りの80%は不溶性と言われています。
ワンちゃんは、食物繊維の消化が得意ではなく、特に不溶性食物繊維とは相性がよくありません。
たくさんのアーモンドを食べてしまうことにより、消化不良を起こし嘔吐してしまうことがあります。
腸閉塞
腸閉塞は、アーモンドを噛まずに丸呑みをしたりすることにより、腸がアーモンドで塞がれ深刻な通過障害に陥っている状態のことを言います。
腸閉塞の初期症状
多く見られるのが、下痢や嘔吐、軟便といった症状です。
また、おなかが痛くて丸まった姿勢をとるという兆候が見られます。
腸閉塞の進行症状
進行が進むと、食欲不振、元気消失、腸が詰まり便秘といった症状が出ます。
また苦しくて、呼吸が荒くなり、最終的に寝たきりといった異常も見られてきます。
その際、腸の炎症により、ゼリー状の血が混ざった血便が出た際には注意が必要です。
血便の色が黒ければ黒いほど、腸内の出血から時間が経過していることを表します。
重症化すると、貧血で震えが出る、ショック状態で意識を失うなど、最悪死に至る危険性があり非常に危険な症状です。
塩分の過剰摂取
無塩アーモンド自体の塩分はさほど問題ではないのですが、人間用に味付けされたアーモンドには要注意です。
塩分が多く継続的に与えてしまうと、心臓や腎臓への負担が心配されます。
肥満
アーモンドは脂質が多いので、ワンちゃんにはどうしてもカロリーが高くなってしまいます。
肥満は様々な病気のリスクが高まるので、カロリー管理をしてあげましょう。
アーモンドで体調を崩した犬への対処法
嘔吐をした場合
嘔吐ひとつにしても、しばらく様子を見ていいものから、緊急のものまでありますので見極めが必要です。
例えば、原因が明らかにアーモンドでそれを取り除けば、症状が改善されるもの。
吐く以外の症状はなくその後は元気であったり、嘔吐が継続的でない場合は慌てる必要はないでしょう。
しかし、上記の腸閉塞のように、すぐには原因を取り除けないものや継続的な体調不良には気をつけてください。
下痢や元気がない、おなかを痛がるなどの、その他の症状があり、嘔吐が続く場合は、すぐに病院へ連れていきましょう。
その場合、おなかを圧迫しないように抱き方に注意してあげましょう。
そして、自己判断で吐き出させようとしたりするのは、危険ですので絶対にやめてください。
体調不良が続く場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
犬がアーモンドを食べた際の中毒になる量・致死量
ワンちゃんがアーモンドを食べた際に中毒症状が現れる量は、「体重1㎏に対して、2.2g」と言われています。
5㎏のワンちゃんだと3~5粒程です。
もちろん、個体差が大きく、目安の量以上食べても平気なワンちゃんもいれば、それ以下の量でも症状が出てしまうワンちゃんもいます。
アーモンドの大量摂取による致死量に関しては、いまのところアーモンドの中毒による死亡例は報告されていません。
しかし、万が一アーモンドを大量に食べてしまった場合には、すぐに病院で診察してもらうようにしましょう。
犬が食べてはいけないアーモンドの加工食品
アーモンドが加工された食べ物は数多くあります。
身近なものでいうと、
アーモンドクッキー(アーモンドプードル)
ミックスナッツ
などがあげられます。
アーモンド自体を大量に食べることはよくないですが、アーモンドが加工された食べ物の場合はどうなのか、順に確認していきましょう。
アーモンドクッキーは食べてもいいのか?
アーモンドクッキーも与えないほうが良い食べ物です。
塩分、糖分がともに多くはいっていますので、塩分の過剰摂取や肥満といったリスクを伴います。
洋菓子にはアーモンドプードルといって、アーモンドを粉末状にしたものを、小麦粉の代用として使用されていることがあります。
原材料がアーモンドのみの場合ですと、そこまで心配することはありませんが、なるべく皮なしで加工されたものの方が、消化にやさしいです。
ただし、小麦粉のクッキーよりもカロリーは高くなりますので、その点は注意が必要です。
ピーナッツ・くるみなど含まれるミックスナッツは食べてもよいか?
ミックスナッツの場合、無塩か塩味付きかでいうと、やはり無塩のものがいいでしょう。
また、様々なナッツが入っているので、ナッツの種類には気を付けなくてはいけません。
ピーナッツ・カシューナッツ・ヘーゼルナッツは、量に注意をすれば心配する必要はないでしょう。
くるみも中毒成分はないものの脂質が多く含まれていますので、同じように量に注意する必要があります。
また、クルミの殻は固く消化にも悪いので取り除きましょう。
しかし最も注意が必要なのは、マカダミアナッツです。
マカダミアナッツ中毒を引き起こしてしまい、愛犬にも辛い思いをさせてしまいます。
アーモンドの栄養素と犬への影響
アーモンドの栄養だけを考えると、いくつかのメリットもあります。
まずは豊富なビタミンEです。
抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。
加えて、免疫機能を高め、体を守ってくれる働きがあります。
またオレイン酸も含まれています。
皮膚や被毛を健康で、コンディションの良い状態に保ちます。
リンは過剰摂取すると結石などの心配がありますが、適量であればエネルギー代謝を助け、骨を強くする欠かせないミネラルの1つでもあります。
アーモンドミルクは飲んでも大丈夫?
アーモンドミルクとは「アーモンドを細かく砕き、水分と合わせた飲み物」のことです。
見た目は牛乳や豆乳に似ていますが、これらは全く入っていません
牛乳などのアレルギーがあるワンちゃんでも、飲むことができます。
すり潰したアーモンドが原料のためアーモンドの栄養はそのままに、直接食べるよりも消化性が高く、ワンちゃんにとって優しい飲みものとなっています。
ただし、砂糖が添加されているものもありますので、原料表示をよくチェックをしましょう。
まとめ:アーモンドはわざわざ食べさせる必要はない
アーモンドは量に気を付けていれば、そこまで心配する食べ物ではありませんが、リスクを考えると、与える必要のない食べ物です。
そして、私たちは相手がワンちゃんであるということを、よく考えなくてはいけません。
飼い主さんの気分で今日は与えてみたけど、明日は与えないと決めても、愛犬には伝わりません。
1度食べた経験をしてしまうと、興味があれば口にしてしまうのは自然なことです。
人間の食べ物を与える前には、
「本当にワンちゃんのためになるものなのか」
「この先も与え続けてもいいものなのか」
考えてみると自然と良い食生活へ導いていけるのではないでしょうか。