ペットの健康コラム
にんにくを愛犬にあげたらダメな理由と中毒症状の対処法
- ペットのアレコレ
- 2018/09/20
疲労回復や免疫力アップ、人間にとって健康食の代表ともいえるにんにく。
「にんにくを愛犬が食べちゃったけど大丈夫?」」
「最近、うちの愛犬元気がないけど、にんにくを与えたら人間と同じような効果が出る?」
など、いつまでも健康でいてほしい愛犬のための、疑問をお答えしていきます。
愛犬がにんにくを食べたらすぐに対処!症状と対処法
目を離したすきに愛犬がにんにくを口にしてしまっても、よほど大量でなければ大丈夫です。
まずは慌てず、にんにくをどのくらい食べてしまったかを確認しましょう。
ここではにんにくを食べたときの症状と対処法を解説します。
下痢には要注意!にんにくを食べた犬の症状
愛犬がにんにくを食べた際には、
- ●下痢
- ●嘔吐
- ●貧血
- ●血便、血尿
- ●肝臓肥大
貧血は、にんにくによる中毒症状では代表的な症状で、赤血球の破壊や減少により「食欲不振」や「ぐったりしている」「呼吸が早くなる」などが引き起こされる症状です。
目に見えてわかりやすい症状では「尿が赤茶色になってくる」「瞼(まぶた)の裏や歯肉が白っぽくなる」などがあります。
血便は、下痢により炎症を起こして血便する場合もありますが、貧血と同様に赤血球の破壊により血便を起こす場合もあるので注意が必要です。
嘔吐や下痢の場合、体に必要な水分が一緒に出てしまうので、脱水症状をおこします。
特に体力のない、老犬や子犬は非常に危険です。
ぐったりと元気がなくなり、自分から水分をとれないことがあるので、水分補給の手助けをしてあげましょう。
にんにくを食べた犬への応急処置と対処方法
愛犬がにんにくを食べているのを発見した場合、口に入っているものを取り出し口の中をふき取りましょう。
食べて1時間以内であれば、催吐剤として食塩を小型犬ならティースプーン1/2杯ほど、中型犬であればティースプーン1杯程度飲ませ、それにより水を急激に飲むことで吐き出させます。
3%のオキシドール溶液を、体重1㎏に対し1~2ⅿℓ飲ませるという方法もあります。
犬の口の端からスポイトなどでそそぎ、手で口を閉じさせ、鼻を上にあげるようにして、上を向かせて飲み込ませるようにして、吐かせることが可能です。
自己判断よりも動物病院が確実
しかし食塩も量を間違えると、中毒になる恐れがあり、量には注意しなければなりません。
オキシドール溶液に関しても、その時の犬の状態や年齢によっては、自己判断では難しい場合もあります。
一般的に少量では致死量にはあたりませんが、犬種や年齢、体質によって中毒症状の度合がひどくでることがあるため、やはり自己判断ではなく、医師の診察を受けることをおすすめします。
犬がにんにくを食べてはいけない理由と致死量
私たち人間にとってにんにくは、滋養強壮や夏バテ防止の定番です。
しかし、愛犬にとっては一歩間違えれば命を落としてしまう危険な食べ物でもあります。
なぜニンニクが犬にとって危険なのか確認しておきましょう。
犬がにんにくを食べると中毒症状に!にんにくサプリメントも要注意
犬ににんにくを与えてしまうと、にんにくに含まれている成分(アリルプロピルジスフィドやその類似成分)によって溶血性貧血を引き起こします。
これは赤血球が不足してしまう状態のことです。
下痢、嘔吐、貧血など様々な症状があらわれます。
にんにくに含まれている成分は加熱をしても壊れないので、直接にんにくが入っていなくてもスープや煮汁に成分が溶け出しているので、注意が必要です。
また、人間用のにんにくサプリメントは、犬に有害な成分を除去していない場合もあります。
摂取量も人間と犬では違いますので、人間用の健康にいいサプリメントでも愛犬にむやみに与えてはいけません。
にんにくを犬が食べた場合の致死量
一般的に、1㎏に対し15~30gだといわれています。
にんにく1片が5gほどですので、5㎏の犬で半玉~1玉ものにんにくを食べることになります。
犬が1玉ものにんにくを食べることはまれなので、こうして量だけでみると、致死量に達しないことがほとんどでしょう。
ただし、個体の感受性や犬種特有の中毒反応の出やすさ、年齢などの影響で致死量に全然値しない場合でも、命の危険を伴うことがあります。
愛犬がにんにくを食べているのをみつけたら、早めに動物病院へ連れて行ってあげることが確実です。
にんにくの臭いがするスナックを食べても大丈夫?
愛犬がにんにくの臭いのするスナックを食べた場合ですが、にんにくの臭いはアリシンという成分がもととなっており、玉ねぎ中毒と似た症状を引き起こします。
生のにんにくに比べると摂取量は低くなりますので、アレルギー体質でなければ、急いで病院に駆けつけるほど重症ではないでしょう。
しかし、食べた量によっては下痢などをしてしまう可能性があります。
しばらくは様子をみて、変化がないか注意してあげましょう。
犬にとって人の食べ物は味が濃く、塩分の取りすぎや拾い食いの癖がついてしまうので、食べることができない環境を整えてあげることが大事です。
愛犬の滋養強壮にはにんにくよりも犬用サプリがおすすめ
人間と犬では、体のつくりが違うので、必要な栄養も異なります。
人間にとって良いものが必ずしも犬にとっても良いとは限りません。
それでは、愛犬にとって健康で元気を引き出す方法や食べ物は、どんなものがあるでしょうか。
愛犬の元気を引き出す方法:食事の質が重要
成犬のうちは、自然と良く動き、よく食べ元気いっぱいだった愛犬も、加齢とともに食が細くなったり、運動量が落ちたりと飼い主としてはとても心配になりますよね。
そんな愛犬の食事で気を付けたいのが、食事の質です。
シニア犬になれば、内臓機能も衰え、量もそんなに食べられなくなります。
そのため、良質なたんぱく質がとても大事になるのです。
年齢を重ねるにつれて体力も衰えてくるので、低脂肪かつ良質なたんぱく質を効率よくとれる食餌を用意してあげましょう。
サプリメントも犬用に作られたものであれば、手軽に栄養を補うことができます。
栄養を補給するだけでなく、体力が衰えてくるからこそ、毎日適度な運動ができるように習慣づけてあげましょう。
それによって、筋力の衰えを防ぎ、愛犬の気分転換にもなるので、いつまでも若々しく健康を維持できます。
犬用サプリなら毎日手軽に続けられる
手軽に続けられるサプリメントですが、ここで注意しておきたいのがいくら良いものでも人間用をそのまま与えてはいけません。
容量も成分もワンちゃんからすると、過剰摂取になってしまうからです。
やはり、安全で手軽に毎日続けるためには、ワンちゃんのことを想って作られたサプリメントを与えてあげましょう。
まとめ
ワンちゃんにとっては、有害となってしまうにんにく。
にんにくを誤って食べてしまった時、あなたのその後のひとつひとつの対応で、愛犬の未来が決まります。
安心・安全に愛犬の健康を維持するためには、人間と同じようにと安易に考えず、正しい知識と愛犬にとって今必要なものは何かを考えることが、長く一緒に過ごせる秘訣です。