ペットの健康コラム
豚肉は犬に食べさせても大丈夫?生肉のリスクや与える量の注意点
- ペットのアレコレ
- 2019/01/31
疲労回復効果もあることで日々の食生活でも欠かせない「豚肉」。
犬も肉食動物なのでドッグフードの原料にもお肉が使われていますが、豚肉を与えても大丈夫なのでしょうか?
今回は豚肉について詳しく解説していきます。
加熱した豚肉は食べても大丈夫!生肉・与える量には要注意
豚肉は犬にとってエネルギー源となる栄養成分が豊富に含まれている為、優良な食材と言えるでしょう。
また、飼い主の日々の献立にも豚肉を使う機会が多いですよね。
そんな時に飼い犬の分も一緒に作ったりするなどして、イヌにも豚肉で栄養補給させることは問題ありません。
しかし、生のまま与えてはいけないなど、いくつか注意点があります。
犬に豚肉を与える注意点やメリットを順を追って解説していきます。
「生」の豚肉は危険!豚肉を与える際に気をつけたいこと
人間と同様に、犬にも豚の生肉は絶対に与えないでください。
豚肉には雑菌や寄生虫も多く付着している為、加熱せずに与えてしまうと、犬の健康に害を及ぼす可能性があるのです。
生肉を与えてしまった場合には下記のような症状やアレルギー反応が見られる場合もあります。
・嘔吐
・発熱
・下痢
上記の症状に加え、下記の細菌が原因による感染症を引き起こす可能性もあります。
・E型肝炎ウイルス
・トキソプラズマ
・サルモネラ菌
・カンピロバクター
・腸管出血性大腸菌
最近ではSPF豚や無菌豚などもあり、生食可能とされる豚肉もありますが、生の肉では何が起こるかわかりません。
豚肉は必ず加熱し、しっかり火を通してから犬に与えるようにしてください。
加熱することで、細菌やウイルスなどは死滅するので、感染症などのリスクは格段に下がります。
しっかり加熱することを徹底すれば、犬にとっても栄養満点の食べ物なので、安心して食べさせてください。
生の豚肉をあげてしまった際の対処方法
生の豚肉を与えてしまった場合に、どのように対処すればいいのかを解説します。
大量の生肉を食べてしまった場合は、出来るだけ早く、2~3時間以内に動物病院へ連れて行ってください。
少量の生肉を食べた場合は、少し様子を見ましょう。
何らかの症状がみられ、長時間続くようであれば、動物病院へ連れていってください。
少しでも異変が起きたときは、すぐに動物病院に相談してみましょう。
豚肉に含まれる栄養素のメリットと犬に与える影響
豚肉は非常に栄養価の高い食べ物です。
犬は肉食の為、動物性タンパク質の原料であるアミノ酸が元気の源となっています。
豚肉は元気の源であるアミノ酸をはじめ、ビタミンBや脂質も豊富に含まれており、犬にとっては好影響のある食べ物です。
アミノ酸
動物性タンパク質の原料であるアミノ酸は、筋肉の発達を促したり、細菌やウイルスから体を守ってくれる役割のほか、血液を通り、体中に栄養素を運ぶ役割をしています。
また、免疫機能を高める効果もあります。
ビタミンB
豚肉にはビタミンBが豊富に含まれており、犬にとってもビタミンBは必要不可欠な栄養素です。
ビタミンBを摂取することにより、疲労回復や夏バテ対策にもなります。
脂質
脂質は摂りすぎると太るというイメージから敬遠しがちですが、健康維持や脳の情報伝達を促進する働きがあります。
犬の体格に合わせて適量を与えましょう。
過度に与えると肥満の原因となるため、ご注意ください。
犬が食べてもよい豚肉の量については次の項目で詳しく解説します。
犬が食べてもよい豚肉の量とオススメのレシピ
犬に初めて豚肉を与える場合は、アレルギーの反応を起こす可能性がゼロではないため、少量から与えるようにしてください。
アレルギーがないと分かれば、脂身を取り除いた上で適量を与えても問題ありません。
脂身そのままの豚肉は脂質が多くカロリーの高い食べ物ですので、その点は注意しておきましょう。
ダイエット中の犬に与える際は、他の食材と混ぜて与えるくらいにとどめておくのがオススメです。
豚肉は部位によって脂質も異なりますので、バラ肉などの脂質の多い箇所は避けるのが無難といえます。
犬が食べてもよい豚肉の量とは?
豚肉は、部位によりカロリーが異なる為、部位別のカロリーを理解した上で、飼い犬に与えることをオススメします。
100gを基準にして部位別のカロリーは下記の通りです。
・ひれ肉:115kcal
・肩肉:216kcal
・バラ肉:386kcal
バラ肉のカロリーが圧倒的に高い為、バラ肉を食べさせるのはオススメできません。
バラ肉を与えたい場合には、ごく少量だけを与えるようにしましょう。
成犬の体重に応じた一日の豚肉の摂取量の目安は下記の通りです。
1kg :25g
3kg :60g
4kg :70g
5kg :80g
10kg :150g
20kg :250g
こちらの目安量を参考に与えてみてください。
ハム・ソーセージ:避けるべき豚肉の加工食品
豚肉を使ったハムやソーセージなどの加工食品には、人間の口にあうように食塩などの調味料や香辛料が使われています。
また、トンカツなどの揚げ物には油分が多く含まれてカロリーも高く、衣を外したとしても塩コショウなどの下味がついていることが多く、ワンちゃんにとっては健康的な食品とは言えません。
愛犬に豚肉を与える際には、下味のついていない脂身を取り除いた豚肉を与えましょう。
次の項目ではワンちゃんにオススメのメニュー・レシピをご紹介します。
豚肉を犬に与える際のオススメのメニュー・レシピ
豚肉だけのレシピであればカロリーが高く少量しか与えられないため、他の食材と織り交ぜ、工夫して犬に食べさせていきましょう。
いずれのメニューも食塩などの調味料での味付けは不要です。
大豆と豚肉のトマト煮込み
大豆はアレルギーの有無を確認してからご使用ください。
消化のしやすさを考慮して、トマトは完熟トマトを使用しましょう。
こちらのレシピは疲労回復によく、飼い犬がバテている時などに作ってあげるのがオススメです。
もやしとキャベツの豚肉蒸し焼き
ビタミンが豊富のキャベツを組み合わせた一品で、犬にとって栄養価の高い料理です。
但し、犬がもやしを食べすぎると下痢になってしまう為、もやしの量は20g以内に抑えておくといいでしょう。
豚肉だけを与えるのではなく、料理に一手間加えることで、野菜と組み合わせることで肥満防止にも効果的です。
なお、全ての料理に使用する豚肉は、必ずしっかりと加熱することを心がけてください。
まとめ:豚肉は加熱して脂身をさけて適量を与えよう
豚肉は犬にとって栄養価の高い食べ物といえます。
ただし、脂質が多い部位もありカロリーが高い為、与えすぎには注意してください。
生の豚肉は食中毒などの危険があるため、しっかり加熱した豚肉をあげましょう。
ドッグフードに飽きているときには、豚肉を使ったレシピを与えることもオススメです。