ペットの健康コラム
愛犬に白米ご飯はメリット大!食べてよい量と玄米は消化・下痢に注意すべき理由
- ペットのアレコレ
- 2021/12/15
太り過ぎのワンちゃんを除けば、愛犬にとってお米は手軽な栄養食です。
「やわらかめに炊く」「味付けをしない」といった点を守れば、オヤツや手作りごはんにも取り入れやすい食材でしょう。
ただし、「栄養豊富な玄米は消化しやすくして与える」「生米は与えてはいけない」など注意点もあります。
お米を活用して愛犬の健康・体重管理をするコツや注意点をご紹介していきます。
〜目次〜
- ●玄米はミキサーが確実!消化しやすいお米の種類と注意点
- ●愛犬の手作りご飯に「柔らかめのごはん」がオススメな理由
- ●犬が食べてもよい白ご飯の量とレシピのコツ
- ●生のお米は誤食に要注意!食べたときの対処法
玄米はミキサーが確実!消化しやすいお米の種類と注意点
栄養豊富で健康イメージのある玄米ですが、食物繊維が多く含まれるため、そのままワンちゃんにとっては消化しにくいです。
玄米は愛犬にとっても栄養豊富ですので、ブレンダー・ミキサーなどで細かくするか、玄米粉などを利用するのが確実でしょう。
痩せすぎが心配な愛犬を健康的に太らせるときにも、白米がゆはお手軽ですね。
消化不良や食べすぎに気をつければ、お米は栄養価も豊富で愛犬に与えたい食材の一つです。
愛犬にお米を食べさせるときには、以下のご紹介する点に注意しましょう。
適量であればお米は栄養補給にオススメ
糖質制限のダイエットでネガティブなイメージもありますが、お米は理想的な栄養食でもあります。
パワーの源となるでんぷん、たんぱく質や脂肪、ビタミンB1やミネラルなどの栄養素が、バランスよく含まれている栄養の宝庫です。
活動量の多い、元気いっぱいのワンちゃんにうってつけの食べ物です。
与えるお米の量に気をつける
お米は炭水化物が豊富に含まれており、体内で素早くエネルギーへと変化します。
その分、血糖値も急激に上がりやすく、野菜などに比べてカロリーも高めです。
与えすぎてしまうと肥満の恐れがありますので、与える量には注意しなければなりません。
また、消化しやすい状態の白米であっても、量が多すぎると消化不良や下痢を引き起こしてしまう可能性があります。
特にワンちゃんに初めて与えるときには、白ごはんを少量ずつ与え、愛犬の様子に変化がないかを見守りましょう。
愛犬の米アレルギーに注意
ドッグフードによっては米粉や米油が含まれていたりと、お米はアレルギーが出にくい(アレルゲンとなりにくい)食材ですが、愛犬の体質によっては出てしまう可能性もあります。
もしお米を食べたあとに普段と異なる様子があれば、注意しましょう。
下痢や嘔吐、かきむしる、皮膚炎、目の充血などの症状が出る場合は、食物アレルギーを疑ってみてください。
耳の付け根や足先、口回りなどは舐めたり掻き壊しやすい箇所なので、注意しましょう。
愛犬の様子が心配な場合は、早めに動物病院で受診するようにしてください。
愛犬がアレルギー反応をみせた後の対処方法
アレルギーの症状がみられた場合は、病院で調べてもらいましょう。
検査を受け、米以外の要因も含めてアレルギーの原因をちゃんと把握しておくことが大事です。
検査の前に「何を、どのくらい食べて、どの程度の症状であったか」を記録しておきましょう。
栄養豊富な玄米は消化しやすい状態にして与える
玄米は食物繊維を豊富に含んでおり、ワンちゃんにとって消化しにくい食材です。
与える際にはミキサーなどにかけるか、玄米粉など消化しやすいものを利用しましょう。
また、穀物アレルギーを持っているワンちゃんには、絶対に与えないようにしましょう。
症状としては、嘔吐、下痢、かゆみ、発疹が主にみられます。
玄米アレルギーの対処方法
玄米で下痢をしてしまったときは、アレルギーが原因の可能性もあるようであれば、病院で診てもらいましょう。
消化不良の場合だったは、玄米をよく煮てブレンダーなどで、柔らかいペースト状のようにしてあげることも効果的ですが、ワンちゃんによっては再び症状が出てしまうもしれません。
愛犬のおなかの調子や体質に合わせて玄米を利用しましょう。
糖質制限中のワンちゃんには与えない
白米の約8割は糖質でできていますので、糖尿病やダイエット中のワンちゃんには与えないほうがいいでしょう。
愛犬の手作りご飯に「柔らかめのごはん」がオススメな理由
体調を崩しているワンちゃんや高齢犬は、ドライのドッグフードでは消化しづらいケースもあります。
愛犬の「手作りごはん」と聞くとハードルが高く感じますが、白ごはんは量と硬さに気をつければ取り入れやすくオススメです。
消化する力が弱まっているときには「おかゆ」もアリな理由
人間と同じように愛犬の体調が悪いときには、おかゆを取り入れるのも効果的です。
ただし、調味料やネギ・ショウガといった香味野菜は加えないように気をつけましょう。
犬にお粥を与える際の3つのコツ
●味付けをしない
●香味野菜は加えない
●やわらかめに調理する
ご飯や粥をあげるときには、人間用に調味されたものは与えないようにしてください。
消化する力が弱まったワンちゃんには、粒が残った硬めよりも重湯に近いくらい柔らかめに炊き上げたお粥が消化しやすくオススメです。
肥満気味のワンちゃんがお粥を避けるべき理由は「糖質」
ダイエットの大敵と言われがちな「糖質」ですが、ご存知のようにお米は炭水化物です。
糖質も多く含まれているため、太っているワンちゃんにとっては体重増加の原因になる可能性もあります。
肥満気味のワンちゃんが便秘や下痢など消化不良気味になったときには、「30~40℃のぬるま湯」でドッグフードをふやかして与えるのがオススメです。
ドッグフードを熱湯や冷水でふやかさないほうが良い理由
市販のドッグフードにはビタミンなどの栄養素が含まれていますが、熱湯でふやかしてしまうとせっかくの栄養素が少なくなってしまいます。
だからといって冷水でふやかすとお腹を冷やしてしまいますので、ぬるま湯でふやかすのが無難でしょう。
なお、ワンちゃんがふやかしたドッグフードを残した場合は食中毒のリスクを回避するために廃棄するようにしてください。
白米のお粥をごはんのトッピングに使うのも効果的
炊いたごはんの匂いをワンちゃんが好む場合は、普段のドライフードのごはんにトッピングとしてお粥を少しかけるのもおすすめです。
お米の匂いに食欲が刺激され、食べっぷりが良くなります。
柔らかく炊き上げた白米のお粥が手軽で取り入れやすいですが、玄米がゆは食物繊維が豊富でワンちゃんにとっては消化しにくいです。
玄米は人間の健康によくても、愛犬に与えるのは避けたほうが良いと考えたほうが健康管理には良いでしょう。
犬が食べてもよい白ご飯の量とレシピのコツ
愛犬が食べてもよい白ごはんの量は下記の通りです。
5kgの成犬は「1日100gの白ご飯」を食べてもOK
体重5㎏の成犬を例に挙げると、1日の食事量は300gほどです。
成犬期の食餌は1日2回が標準ですので、1回の食事量が150gが目安ですね。
成犬期は「肉1:野菜1:穀物1」をペット食育協会は推奨例としていますが、この基準にあてはめると1食につき白ごはんの量は50g(1日2回で100g)となります。
お米の目安量を参考に愛犬に合わせていく
ドックフードの裏の食餌量なども含めて、上記の推奨例も「標準体重・体型のワンちゃん」を基準にして作られているので、あくまで目安として考えましょう。
ワンちゃん一頭一頭によって違ってきますし、ライフステージ(妊娠期、授乳期など)や、体型・体調を考慮して、愛犬の食べる量を調整するのがオススメです。
はじめての場合は少量から
愛犬に初めてお米を与える場合は、可能性は少ないながらもアレルギーの心配もあります。
少量から始めて、愛犬の様子を観察するようにしてくださいね。
【簡単】お米を使った愛犬用レシピ
●簡単たまご雑炊
・たまご:1個
・にんじん:1/4以下
・きのこ:1/4以下
・ささみ:1/3
・ごはん:1/3
・水
1.沸騰したお鍋にささみを入れ、火が通ったらささみを取り出し、細かく裂いておく。
2.にんじん、きのこをできるだけ細かくみじん切りにし、ささみを茹でた鍋に入れ、柔らかくなるまで煮る。
3.卵を割って、ごはんとあらかじめ混ぜておく。
4.具材が柔らかくなったら、お鍋にまぜておいたご飯を入れる。
5.混ぜながら、卵にもしっかり火を通してあげれば完成です。
※人肌くらいの温度になるまで冷ましてからワンちゃんに食べさせてください。
レシピの調理ポイント
なお、フォークを使うとするっと簡単に取れますので、ささみの筋は事前に取っておきましょう。
ささみを茹でた汁を捨てずに使用することで、煮汁の栄養もとれるだけでなく、お肉の香りでワンちゃんの食欲を刺激できます。
ただ、雑炊だからといって人間用の味付けやネギなどの香味野菜を加えないでくださいね。
生のお米は誤食に要注意!食べたときの対処法
栄養満点のお米ですが、生米はワンちゃんも食べることはできません。
生のままですと人間と同じく消化ができず、そのまま便として、生米が出てきてしまいます。
ひどい水下痢や嘔吐などの症状も出る場合がありますので、誤食しないように米びつなど保管場所は愛犬の届かないようにしておきましょう。
生米を誤食してしまった際の対処方法
生のお米を食べてしまった場合は様子を見守って下さい。
もし下痢をしてしまったら、脱水に注意しつつ水分補給をしましょう。
下痢をした場合は腸を休ませるために、ごはんを少し控えて様子をみてください。
整腸剤を与えることもできますが、ワンちゃんの体重によって、与える量が異なります。
不安なときは早めに、獣医師に相談しましょう。
排泄物に生米が含まれていないか目視で確認
生米を食べた場合は、しばらく愛犬の排便のようすをチェックすることがおすすめです。
生米が全部できってしまえば、自然と下痢は収まりますが、あまりにひどい水下痢や回数が多い場合は早急に病院で診てもらいましょう。
まとめ:消化しやすさに気をつけて「お米」を取り入れよう
私たちの食事にもっとも身近な「お米」ですが、愛犬に与える際には、糖質の量や消化不良など気をつけなくてはならない注意点があります。
ご紹介したポイントを踏まえた上で、白米の栄養や手軽さを活かしつつ、ワンちゃんの食事に取り入れるのがオススメです。
愛犬とのハッピーな暮らしを築く、一つのアイテムとして白ごはんを活用していきましょう。