ペットの健康コラム
生のほうれん草は要注意!犬が食べられる量とレシピのコツ
- ペットのアレコレ
- 2018/10/10
愛犬の貧血予防や骨を強くしてあげたい!と思ったときに、栄養価の高いほうれん草なら最適に感じますよね。
しかし、「どうやって与えるべきなのだろう?」「生でもいいの?」と気になるのも事実です。
この記事では、愛犬にほうれん草を与える注意点と健康維持のポイントをご紹介します。
生は要注意!ほうれん草の栄養素と犬への影響
栄養豊富で健康に良いほうれん草ですが、愛犬が生でそのまま口にしてしまっているのを見つけた場合は、すぐにやめさせましょう。
少量であれば食べてすぐに症状が出ることはありませんが、安全に与えるための、気をつけるべきポイントを解説します。
ほうれん草に含まれる栄養と犬に与える影響
ほうれん草には、
- ●鉄分
- ●ビタミン類 (ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンKなど)
- ●βカロテン
- ●食物繊維
- ●ミネラル
- ●葉酸
鉄分は、貧血予防として有名です。
ビタミンCやβカロテンは皮膚のダメージを防ぎ粘膜などの健康維持をしたり、免疫力の向上、メスのワンちゃんの性ホルモンの生成を促します。
ビタミンEは、筋肉のダメージを軽減し、ホルモンのバランスを整える効果があります。
食物繊維は老廃物を出し、便秘の予防改善を促します。
そして、ミネラルに含まれる、カリウムは高血圧予防、マグネシウムなどは骨や歯を強くしてくれる効果が期待できます。
しかし注意が必要な栄養素もあります。
それが、「シュウ酸」です。
シュウ酸はアクと呼ばれている成分で、愛犬に毎日摂取をさせ続けてしまうと、尿路結石の一つである「シュウ酸カルシウム結石」のなる恐れがあります。
尿の通り道に結石ができることにより、膀胱が傷ついてしまったり、結石で穴がふさがってしまい排泄時に痛みを伴ってしまい排泄することが困難となります。
ひどい場合は死に至ってしまうとても怖い病気です。
生のほうれん草が犬によくない理由:食物繊維で下痢をする
栄養面を考えると、そのまま栄養がとれる生が一番と思いがちですが、愛犬にとっては違います。
先ほどお伝えしたシュウ酸だけでなく、愛犬に生のほうれん草を与えてはいけない理由がもう一つあります。
それは食物繊維です。
食物繊維ときくと健康によいイメージがありますが、ワンちゃんは野菜を消化するのが得意ではありません。
消化できないまま体内に取り込んでしまうので、食物繊維の取りすぎは下痢を引き起こす原因になります。
愛犬にほうれん草を与える場合のレシピと調理のコツ
ほうれん草を調理する上で、重要なポイントから説明していきます。
ほうれん草を使用する場合は、含まれているシュウ酸を取り除く下処理を必ず行いましょう。
シュウ酸は、水溶性ですので茹でることで取り除くことができます。
沸騰したお湯に少量の塩を加えたら、ほうれん草の根本、茎の部分を入れて30秒、そして葉の部分も一緒に入れ30秒ほどしたら、さっと取り上げ冷水に浸します。
何回かお水を替えたらあとは水をよく切ります。
茹でることでシュウ酸が流れでていきますので、茹で汁は使わないようにしましょう。
ここでのポイントは「さっと茹でる」ということです。
茹ですぎるとせっかくのビタミンなどの熱に弱い栄養素が壊れてしまいますので、茹ですぎには注意しましょう。
そして、ワンちゃんは人間より腸が短いので、愛犬が食べやすく消化しやすいよう細かく切ってあげるようにしましょう。
ほうれん草を使ったレシピ例
●ワンちゃんにやさしいお野菜雑炊(体重5㎏)
- 先に上記に記載したように、ほうれん草の下処理をしておきます
- 鶏ささみをお鍋で、煮てあくをります。
- その間に、お野菜を細かくみじん切りにしておきます。その際、先に茹でておいたほうれん草は、水けを絞り細かく切ります
- 煮たささみのお鍋に、人参とさつま芋を先に入れ、火が通ったら茹でておいたほうれん草、ご飯の順に入れて完成です。
◇アレンジレシピ
カルシウムと一緒に取るのもいいので、カロリー制限がないのであれば、ヤギミルクなどをふりかけて、ミルク雑炊にアレンジしてもよいでしょう。
取りたい栄養素によって調理法を変えたり、食べ合わせるものを変えることによって効率よく、栄養を摂取することができます。
犬の元気を引き出す食餌と運動のポイント
愛犬の食欲が落ちてきたとき、病気やケガでない場合でも様々な原因が考えられます。
気候の変化によるものやストレス、運動不足、老化、ご飯が合わない、もっとおいしいものが食べたいというわがままの場合もあります。
そのため、まずは何が原因なのかを突き止めましょう。
正しい対処をしないと、より悪化する恐れもあるので、愛犬をよく観察することが大切です。
そして運動も元気を保つうえで、とても重要になってきます。
昨今は室内犬が多く、運動不足になりやすい環境下にあるので、お散歩をしたり、お外で遊ぶなど、愛犬に無理のないペースで、習慣をつけてあげるようにしましょう。
規則正しい生活習慣を身につけることで、異変にも気づきやすく、原因も突き止めやすくなります。
愛犬の元気を引き出す食餌・運動
「病気とまではいかないけど元気がない」「食べムラがある」といった場合、急にご飯を変えてしまうと体調を壊してしまう場合もあるので、まずは、今のままのご飯で少しアレンジしてみましょう。
ドッグフードを食べているワンちゃんなら、ドッグフードをふやかして香りを強くさせてみるのも効果的です。
また、トッピングをしてみるのもいいでしょう。
ワンちゃん用のふりかけでもいいですし、蒸したささみやお芋なども、甘みが好きなワンちゃんにとっては元気になるごちそうの一つです。
カロリーを気にされないのであれば、ヤギミルクをふりかけてあげると、とても食いつきがよくなります。
習慣化してしまうと、普段の食餌では満足できなくなってきますので、毎日ではなく気分転換程度にしてあげましょう。
そして元気を引き出すために欠かせないのが運動です。
毎日お散歩に行くようにし、スキンシップもかねて遊びも取り入れてあげると、とてもよいです。
愛犬の好きなおもちゃや遊びで、思い切り走りまわることで、犬が本来自然としてきた動きや運動をさせてあげることが重要です。
足腰が弱くなったワンちゃんでも、お散歩に行くことで、足腰の健康を保ち老化を遅らせることができます。
長い時間でなくてよいので、散歩を習慣にしてあげましょう。
気持ちの面でも、外に出て自然の風や臭いを感じることで、犬本来の能力やパワーを出してあげることが、ストレスを発散し愛犬を生き生きとした状態にさせてくれます。
まとめ
愛犬を元気にしてあげたいと考えたとき、体によいものであっても、人と同じように安易に与えるのではなく、ワンちゃんにあった与え方や分量に気を付けて、与えることが大切です。
そこに気を付けるだけで、ほうれん草などの栄養素を効率よく与えてあげることができ、健康を管理するだけでなく、将来、老化とともに出てくるであろうさまざまな症状の予防をしてあげることができるのです。
愛犬との大切な生活を長く一緒に過ごしていくために、飼い主である私たちがするべき愛情のひとつといえます。