ペットの健康コラム
犬の咳や鼻水は風邪なの?ケンネルコフの症状と予防方法
- ペットのアレコレ
- 2020/12/21
じつは獣医学に「風邪」という言葉は存在しないので、愛犬が風邪をひくということはありません。
しかし「犬風邪」と呼ばれる、ケンネルコフ(犬伝染性気管・気管支炎)という病気が存在します。咳や鼻水という症状があり、飼い主が「風邪」と認識する病気は「ケンネルコフ」である可能性が高いでしょう。
そこで、この記事では犬風邪と呼ばれるケンネルコフの症状や対処法や予防方法について解説します。
〜目次〜
犬風邪と呼ばれるケンネルコフの症状とは?
ケンネルコフは人間の風邪のような症状が起こります。主に以下のような症状です。
・ケンケンという乾いた咳
・鼻水や目ヤニが多く出る
・発熱
・食欲の低下
・呼吸がしにくくなる
・ぐったりする など
とくに目立つのは咳で、咳だけが症状の時も多くあります。激しい咳で嘔吐することもあるかもしれません。
ケンネルコフは初期症状が現れるのに、3日~7日程度かかります。その後、3日~2週間程度で改善していきます。
犬風邪と呼ばれるケンネルコフの予防方法とは?
犬風邪と呼ばれるケンネルコフを予防するにはいくつか方法があります。それぞれご紹介しましょう。
ワクチンを接種する
犬風邪と呼ばれるケンネルコフの予防はワクチンの接種が有効です。
ケンネルコフになる原因となるイヌパラインフルエンザとイヌアデノウイルスⅡ型の感染を予防するには、混合ワクチン(5種以上)を打つことで予防できます。
ワクチン接種を行っていても、ケンネルコフを完全に防ぐことはできません。しかし、感染する可能性を軽減させることはできるのです。
周囲を清潔に保つ
ケージや食器は清潔な状態に保ちましょう。清潔な状態に保つことで、ウイルスや細菌の繁殖を防ぐことができます。
乾燥に注意
室内の湿度管理に注意を払うようにしてください。細菌やウイルスは乾燥した環境でもっとも活発に動きます。低い湿度の室内は感染を促進してしまうのです。
加湿器を置くなどして、湿度を40%~60%に保つように心がけましょう。
複数の犬を飼っている場合はとくに注意
複数の犬を飼っている場合は、犬から犬へと感染するリスクが高まるので、とくに注意する必要があります。
1頭触るごとに手を洗ったり、こまめに換気をするようにしましょう。また、ケンネルコフの症状が出た場合はすみやかに隔離してください。
愛犬が犬風邪(ケンネルコフ)になってしまったら?
愛犬がケンネルコフになってしまった場合、どうすればよいのか、対策をまとめました。以下のようなことを試してみてください。
・運動を控える
・こまめに換気をする
・温度を20度前後にする
・湿度を50~60%程度にする
・栄養価の高い食事を意識する
・食欲を促進させる食事を意識する
散歩などの運動は控えて安静にし、室内を清潔に保ちましょう。
また、食欲不足に陥りますが、栄養補給も重要です。食欲がそそるように、お肉のゆで汁などを上手に使い、食欲をそそらせる工夫をしてください。
そして、食事も栄養価の高いものを取り入れるようにするとよいでしょう。
犬に風邪薬は与えていいの?
愛犬に犬風邪(ケンネルコフ)の症状が出たとき、薬を与えたくなるという人も多いのではないでしょうか。実際はどのような対応をとればいいのか解説します。
基本は自然治癒に頼る
犬風邪(ケンネルコフ)の症状が出たら、獣医師に相談するようにしましょう。
基本的には自然治癒に頼り、体力のある若くて持病のない犬の場合、2週間程度で症状は緩和します。
とにかく安静にすることが大切で、運動させたり、興奮させたりすることは厳禁です。
人間用の風邪薬を与えない
咳で苦しそうな愛犬を見ると、人間の風邪薬を与えたくなるかもしれません。でも、犬には絶対に与えないようにしましょう。少量でも避けてください。
人間用の風邪薬には、犬が体に入れるべきではない成分が含まれていることがあるのです。実際に人間用の薬を犬が口にし、死亡してしまった例も存在します。
犬と人間では必要な薬は違います。愛犬には獣医さんに処方してもらった薬を飲ませてあげるようにしましょう。
犬の風邪・ケンネルコフに注意!
犬の風邪と呼ばれる「ケンネルコフ」について、詳しくお伝えしてきました。
「ケンネルコフ」を完全に防ぐことはできませんが、予防策は存在しますし、飼い主にできることも多くあります。
ぜひ愛犬が感染しないように、最善の対策をとってあげてください。また、愛犬がケンネルコフの症状を見せたら見逃さずに、愛犬の様子を観察してあげましょう。
愛犬の健康を守れるのは飼い主だけです。責任をもって、異変を感じ取ったら、獣医師さんの治療を受けるようにしてください。